海外ドラマ「LOST」は”意味がわからない”という声が!結末もイマイチわからない…という方へ。
今回はドラマ「LOST」が”意味がわからない”という方へ、結末をじっくり解説します!
2004年からアメリカで放送が始まり、エミー賞を始め数々の高名な賞を受賞、社会現象ともなったテレビドラマ「LOST」。
第1話のいきなりの飛行機墜落シーンから鷲掴みにされ、その後も次から次へと起こる不思議な出来事にグイグイと引き込まれてしまったファンも多いのではないでしょうか。
しかしながら賛否まっぷたつに分かれるのはそのエンディング。
今回は賛否が分かれるその理由を踏まえた上で、”「LOST」結末の解説”と、”視聴者の混乱を生んだたくさんの謎”について書きたいと思います。
最後には、そんな「LOST」を無料で全話振り返れる裏技もお伝えしますね♪
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Contents
LOST(ドラマ)のあらすじ
シドニーを出発し、ロサンゼルスに向かっていたオーシャニック815便は突然、原因不明の墜落事故を起こし、乗客達は所在未確認の島に放り出されます。
様々な過去を背負い、他人同士であったサバイバー達は医師であるジャックを中心に協力し合い、衝突を繰り返しながらも、生き残りと島からの脱出を試みます。
しかし不思議な治癒パワーや謎のささやき声、不気味な音と共に出現する黒いスモークなどの不可解な出来事、そして815便サバイバー以外の「アザーズ」の存在など、その島が普通の島ではない事に徐々に気付き始め・・・。
奇妙に絡み合った登場人物達の素性や背景も徐々に明らかになっていくと共に、島の全貌、そして数々の謎や敵が時間と空間を超えて出現していきます。
とまぁ、全体的にはこようなあらすじになっています。
では、
- 最終話まで見て意味が分からない
- 意味が分からなくて、途中で観るのを辞めた
という方のために、なぜ意味が分からないのか?
その理由を考察してみました。
LOST(ドラマ)は意味がわからない

LOSTを最後まで観終わって「何だか腑に落ちない」、「意味がわからなかった」という意見をネット上でよく見かけます。
これには大きく分けて、2つの理由があるのではないでしょうか。
理由その①謎が謎のまま終わっている
1つ目の理由・・・LOSTには主に前半に、たくさんの謎が散りばめられてます。
例えば、熱帯の島に突然シロクマが現れたり、事あるごとに登場する4,8,15,16,23,42という「呪われた」数字など。
そしてそれらの謎が、はっきりとした説明のないまま、謎のまま終わってることかと思われます。
理由その②尻切れトンボのエンディング
2つ目の理由・・・物語全体を通しての意図がよく分からないまま、畳み掛けるような、尻切れトンボのような形でエンディングを迎えた印象が大きかったこと。
物語の前半が、あまりにもミステリー色が強いため、視聴者は「科学的に説明された」エンディングを期待した、というのが本音ではないでしょうか。
では「LOST」の結末をクリエイターの動画を元にじっくり解説して行きたいと思います
LOSTの結末をじっくり解説

それではこれから、LOSTを紐解いていきたいと思います。
わからない事は、作った人に聞いてみよう!
ということで、このような動画を発見しました。
このビデオは「LOST」のクリエイターのひとり、デイモン・リンデロフが、「LOST」についてインタビュー形式で語っています。
このインタビュアーは、わざとなのか、とてもアグレッシブかつ挑発的、時にはとぼけつつ実は煽っていたりと、様々な手法で、前半あまり積極的ではなかったデイモンから、視聴者が聞きたい答えをたくさん引き出している、とても貴重な映像です。
これを参考に解説していきます。
実はクリエイターも悩んでいた

このビデオで、初っ端からインタビュアーは、いかに自分が「LOST」のエンディングに失望したかを語り始めます。
そしてそれはたくさんの視聴者の意見でもある、と続けます。
それに対しデイモンは、エンディングに後悔はないが、そうした意見が多数存在することも知っているし、実際にデイモン本人が考えていたエンディングではなかった事、変更を余儀なくされた事、映画と違っていつまで続くか分からないテレビドラマを制作する難しさを口にします。
要するに・・・
人気次第でシーズン数、エピソード数が左右される
という事ですね。
打ち切りもよく起こるようですが、「LOST」の場合はその爆発的な人気ゆえにむしろ引き延ばしが行われたようです。
それらを語るデイモンの視線は下向きがちで、その語り口も言葉を探し、矛盾も多少ながら含まれていることから、彼の中の葛藤を垣間見た気がします。
この事から、あの結末は「満を侍した」エンディングではないというのは事実のようです。
物語のキーワード”Purgatory” 「煉獄」
彼の立場上、同じ感想を何度となく聞かされ、その都度複雑な思いが澱のように溜まっていたのでしょう。
序盤無表情に近いデイモンですが、インタビュアーが
「あれってつまり、結局みんな最初から死んでて、実際には何も起こってないって事だよね?」
と投げかけた時から、デイモンの目つきが変わります。
何かが目覚めたように語りだし、ここで一気に、彼がこのドラマを通して描きたかったことなどをはっきりとした言葉で説明し始めます。
それらを要約していくと、まずデイモン達クリエイターが、物語を構成するにあたって焦点を置き、表現することにこだわったテーマは”Purgatory”「煉獄」です。
煉獄とは・・・
カトリックの教理で、小罪を犯した死者の霊魂が天国に入る前に火によって罪の浄化を受けるとされる場所、およびその状態。
天国と地獄の間にあるという。
ダンテが「神曲」中で描写。―出典「デジタル辞泉」
日本人には耳慣れない言葉ですが、カソリックのみが唱えている教理とはいえ、キリスト教文化が広く浸透している欧米では、最初の3,4エピソードを見れば煉獄のイメージを連想させる程、その要素・ヒントが強く描かれているようです。
そのため、インタビュアーを含め(彼はわざとかもしれませんが)、たくさんの視聴者が
「最初の墜落事故で実は全員が死んでいて、島で起こったことは全て現実ではない。(実際には起こっていない。)」
という捉え方をしたのです。
なぜなら煉獄は、
「肉体的な死の後に行く場所であり、状態である」
というのが一般的な定義だからです。
しかしデイモンは、ドラマの中で起こった事は、シーズン6で登場する
「815便が墜落しなかった世界」
いわゆる「フラッシュサイドウェイ」と、それに続くジャックが教会のような場所で父クリスチャンを始め他のメンバーとの再会をを果たすパートを除いて100%「この世」で起こったことである、と断言しています。
ジャックは最終シーンで目を閉じた時に実際に死んでおり、そして時系列でいうと今現在、ジャックが生前に後継者として選んだハーリーと、その補佐役としてベンが島を守り、維持しているのです。
この事から、島そのものを「抽象的に」煉獄として描いており、最終話に出てくる教会らしき場所で皆一同に集まり、そして皆で天国と思われる場所に行く、というシーンを
「天国に行く前の状態、場所」
として、定義に沿った形で表現している事がわかります。
物語最大のテーマは”Self-Forgiveness”「自分を赦す」
そしてインタビューはどんどん核心に近づいていきます。
デイモンは、
「LOSTの持つミステリアスな部分を台無しにしたくはないけれど」
と前置きした上で、物語の最大のテーマであるとした
「Self-forgiveness」
について語り始めます。
まず、先述の通り、島そのものが煉獄の象徴として描かれています。
煉獄の入り口 画:ギュスターヴ・ドレ
オリジナルの定義と異なるところは、
島にたどり着いた者達が全員生きている事です。
そして、もう一つ大きく異なっている点は、罪の「浄化」を行う場所では無く、Self-forgiveness 、つまり「自分を赦す」場所である事です。
島にたどり着いた者達は皆何らかの罪や弱さ、後悔を背負っており、
「自分を見失っている」=「LOST」
状態なのです。
誰かに裁かれるのではなく、「火に焼かれて浄化される」のではなく、自分で自分自身を見つめ、そして赦す。
それを登場人物達の島での生き様を通し、煉獄の概念を取り入れながら表現しているのです。
次に、最終話に出てくる、皆で集まっている教会の様な場所についてですが、このパートで集まってるメンバーは全員、
「肉体的な死後」
であることが、ジャックとジャックの父クリスチャンとの会話の中で明らかになっています。
そして「ある者はジャックより先に死んでおり、ジャックよりかなり後に死んだ者もいる」。
しかしこの場所では、時間の概念がないので、タイムラインに関係なく皆が集まっているのです。
そして最後に教会内の奥にある扉を開け、その先にある、光に溢れた世界=天国に全員で向かって行きます。
肉体的な死後と、天国の間の世界=煉獄という構図です。
さらにデイモンは「この世」の出来事ではない「フラッシュサイドウェイ」について語ります。
彼は”この世界の意味、位置付けは視聴者の想像に任せる”として、その意図の説明を避けていますが、フラッシュサイドウェイの後半で、島での出来事やそこで愛した人の記憶を取り戻して行く事、そして皆最後に教会に集まる事からやはり、「死後の世界」と捉えるのが自然だと思います。
ソーヤーは詐欺師と正反対の刑事だったり、ジャックには息子がいたり。
現世で果たせなかった願いや後悔が成就した世界なのでしょうか。
そんな「現世より理想に近い世界」で過ごしていても、やはり最後は人生で一番大切な時期であった、島で過ごした時と仲間たちを思い出し、共に次の世界へと歩みだす、というフィナーレで幕を閉じたのではないでしょうか。
まとめ
「LOST」はその爆発的な人気ゆえに、巨大になり過ぎて、途中から舵取りが出来なくなった船のような存在だったようですね。
デイモンは、シーズン3途中頃までのインタビューでは、
「全ての謎の答えは明らかになってくる。」
と言い続けています。
そしてターニングポイントとなったシーズン3以降、
「もし謎の答えの為にドラマを見続けているのなら、その結末を気に入らないだろう。」
と視聴者に向けて「警告」を発しています。
同時に、視聴者からのフィードバックは常にチェックして、視聴者の声に耳を傾けていたとも語っています。
制作会社側との政治的な理由での衝突もあったに違いありません。
詰まるところはビジネスなのですから、仕方がないことではありますが、クリエイター達の目指す方向にかなりの制限がかかっていたのは間違いないと思います。
その温度差を敏感に感じ取った視聴者が、失望を感じたり、混乱を生むのも仕方がないことだと思います。
デイモンはまた、曖昧さ、謎に包まれたままで、あくまでも「人間に焦点をあてた」作品を考えていたと語り、「島の謎のタネ明かし」の部分とも言えるジェイコブとその双子の兄弟、マン・イン・ブラックのストーリーさえも書くことに嫌悪を感じていた、と言っています。
ここまでいくと暴露の域を超えてファンとしては若干シラけてきますよね(苦笑)
しかし、「人間に焦点を当てた」という点から見ると、感情に訴えかけた「LOST」のフィナーレは、彼の希望に寄り添っていたのではないかと思います。
ドラマ内では終始多数の言語が登場し、最後の教会内にあるステンドグラスには、イスラム教・ユダヤ教・ヒンドゥー教・キリスト教・仏教・道教の世界の主な宗教のシンボルが記されています。
人種、宗教も様々である登場人物達が最後に一堂に集まり、敵対していた者達でさえ肩を抱き合い、微笑み合う姿。
無数に存在する違いや善悪を超え、互いを赦し合い、共に時間を過ごした人との繋がりこそが大切である、というのが最後のメッセージなのではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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